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色々、色のお話し(第一回)耐光性と耐候性はどう違う?

  2020年10月06日

本棚から辞書を取り出したら背見出しだけ色が褪せていた。皆さんはこんな経験をお持ちではないでしょうか?

これはほとんどの場合、辞書の印刷に使われた印刷インキの被膜に、紫外線があたることで起こる「退色」が原因になっています。退色と一言で言っても原因は 様々です。色あせた辞書の背見出しのように紫外線によるものもあれば、熱によるもの、水やアルコール、酸やアルカリによる場合もあります。

カラフルな街並みのイメージ
紫外線で色あせた時のイメージ

インキメーカーではこのような様々な退色に対応したインキとして「耐光」や、「耐候」と銘打った製品を作っています。耐光インキや耐候インキとは何なのか。同じ発音でどう違うのか。少し難しいテーマを探っていきたいと思います。

耐光インキとは、退色の様々な原因の中で最も多く取り上げられる「紫外線」に耐える力を強化したインキのことで、通常のインキであれば1ヶ月も経てば退色したと思われる印刷物でも、耐光インキを使えば半年や1年経ってもなんとも無いこともあります。改良のポイントはインキの成分の中でも最も重要な役割を果たし、色の元になる「顔料」です。一般的な顔料を紫外線に強い顔料に置き換えれば耐光インキになり、蛍光灯や太陽光 に含まれる紫外線の影響を抑えることが出来ます。

耐光インキにもいくつかのランクがあり、試験したい印刷インキをアート紙などに印刷した検体を、カーボンアーク灯光による紫外線照射試験にかけて評価します。弊社では8段階中6以上、(5段階評価で概ね3~4以上)になる物を耐光インキと呼んでいます。

金赤インキの耐光性比較
フェードメーターと呼ばれる耐光性試験機により紫外線を照射し、検体の耐光性を調べる事ができる。

インキメーカーが製品を開発する場合は、耐光性以外にも様々な規格があり、全ての原料の耐熱性、耐アルコール性、耐アルカリ性、耐溶剤性等のデータを収集、分析します。たとえば、紫外線や熱には強い顔料を使って製品を作っても、印刷されたインキの皮膜その物は水や溶剤に溶けてしまうことがありますし、先ほど説明した耐光性の強い顔料の持つ一般的な特性として、その他の諸適性も強いことが多いのですが、特定の条件下では極端に耐性が落ちることもあります。それらの不安定要素を可能な限り排除したインキが「耐候インキ」や「耐性インキ」と呼ばれています。

具体的な例を挙げると、久保井インキの一般的な紅の耐光性は5段階評価で3~4、耐水性は5ですから、比較的諸耐性が強い製品です。しかし、印刷面に水が付着した状態で紫外線を浴びてしまった場合の評価は従前の5段階評価では最低の1になります。

これは、紅の顔料が「加水分解」と呼ばれる現象を起こしてしまった場合ですが、このケース以外でも耐光性の強い顔料が特定条件下で退色が起きてしまうことはあります。こういった 予期せぬ退色を未然に防ぐことは難しいですが、想定される条件以上に強い耐性を持ったインキであれば極力退色を防ぐことができます。こういった様々な事例から、耐性を併せ持つ製品「耐候インキ」が生まれました。
 

分かりやすく言うと、「耐光インキ」は紫外線だけに耐性を持ち、「耐候インキ」は、紫外線だけではなく、通常の印刷物に求められるであろう適性をほぼクリアできる耐性を持っているものです。

これら2つの「たいこうインキ」、意味も似ており発音は同じと少しやっかいです。久保井インキでは、発音を少しでも変えて識別しやすくするために、「耐候インキ」を更に紫外線にも強くし、「超耐光」と言う呼称で製品化しています。(一部例外あり)

これら耐光インキを使ううえでご注意頂きたいのが、耐光性が強いインキであっても、インキを希釈した(薄めた)状態で使用すると、耐光性が極端に落ちてしまうことです。

先ほどの耐光試験を10倍希釈した金赤インキで実施した結果。
大きな影響が無かった耐光金赤への20時間照射で、明らかな退色が見られる。

現在、「耐光インキ」や「耐候インキ」は主として屋外用ポスター、家電や自動車関係のシールラベル、薬品・化粧品パッケージに使用されており、これら以外にも様々なシーンで活躍しています。 

皆様が普段何気なく使っているものにも必ず「耐光インキ」や「耐候インキ」は使われています。何かでお気づきになったら是非この記事を思い出してくださいね。 

久保井インキ株式会社
コラム担当

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